これからピアノの先生になろうとしている人、すでに先生として働いている人、色んな過程があって「ピアノ講師」という仕事にご縁があったと思います。
ピアノ講師は国家試験があるわけでもなく、誰でも教室を開く事が出来ます。
ピアニスト、音大卒、音楽科卒、グレードテスト取得者など・・肩書きも人それぞれ。
中には、ピアノ講師をしたくても「大した肩書きがないのに人に教えていいのかな」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、私はピアノ講師になる為に必ずしも肩書きがいるとは思いません。
何故なら、ピアノを演奏する事とピアノを誰かに指導する事は全く違うからです。
本記事では、ピアノ講師を目指している人や、ピアノ講師として不安や自信を持てない方向けに、ピアノ講師として必要なことは何かを書いて行きたいと思います。
もくじ
ピアノ講師に必要なのは、出だしの経歴ではありません
ピアノ教室のホームページやプロフィールに、〇〇大卒、〇〇コンクール受賞など先生の経歴が書いてありますよね。
「有名な音大を卒業している」
「コンクールの受賞歴がすごい」
確かにこれらの事は、第三者に安心や信頼を与える為にとても優位な事だと思います。
ですが、ピアノ講師として必要なのは講師として出発する時の出だしの経歴だけではないです。
いつも生徒で溢れている教室、良い口コミが絶えない教室、これらの教室の先生方は必ずしもすごい経歴を持っている方ばかりではありません。
では、生徒が集まる教室はどんな先生なのでしょうか?
講師としての芯を持っていて、勉強している先生
人気がある教室の先生の共通点は、ピアノ講師としての軸や芯があること。
そしてそれに向かって勉強することを惜しまない先生です。
ピアノではなく、学校で例えてみますね。
今まで学校の授業で、自分がその科目を好き・嫌いを問わず
「あの先生の授業は面白かったな」
「あの先生の授業は分かりやすかったな」
こんな風に感じる先生っていませんでしたか?
自分の興味がない授業でも、生徒を楽しませられる先生ってすごいと思うんです。
でも学校で「授業が楽しいな」と感じた先生の経歴や肩書きをわざわざ調べたりする事ってほとんどないですよね。
私はピアノ講師として、そこを目指して欲しいと思うのです。(自分も目指しています。)
授業が上手な先生は、自分なりの指導理念があります。
生徒に絶対にこれは伝えたい→どうやったら伝わる?
これがきちんと出来ているのです。
言葉にすると簡単そうに聞こえますが、これってとても難しいです。
難しいことを難しいと思わせず伝える事が出来る先生は、見えないところで必ず勉強をして実践をして努力をしています。
そしてそんな先生の所には、自然と生徒も集まるのです。
どんな先生になりたいのか、はっきりと目標を持つこと
ぜひ自分なりの講師像を持って欲しいと思います。
ピアノを習う理由は人それぞれで、やる気満々の人もいれば親に言われて仕方なく習い始める子供など、カラーは全員違いますよね。
特にピアノは個人レッスンなので、生徒によって求めてくる内容も雰囲気も変わります。
しかし、ここで一人一人の生徒に流されてしまうと必ずいつか自分が辛くなってしまいます。
・自分はどんな先生になりたいのか
・学びに来てくれる生徒に何を教えたいのか
・どんな生徒に育ってほしいのか
ピアノ講師としての目標と軸をしっかり持つことで、教え方にも道が見えてきます。
どんな生徒が来ても、教えたいことのゴールを決めておくと、アプローチの中身が変わっても自分の心に余裕が持てるようになりますよ!
無理して教える必要はありません
音楽はジャンルもたくさんあり、正解がない表現やセンスもあります。
自分では知識が足りない事や、教えたい事の限界があっても何もおかしくありません。
そんな時は無理をせず、生徒が納得出来る道へ進めるように促す事もピアノ講師としての勤めだと思います。
・楽しく趣味として習えればいい人
・コンクールやグレードテストに挑戦したい人
・音楽の道を目指したい人
・弾きたい曲のジャンルを変えたい人
自分の力量では限界だと思った時は、その道の先生に生徒を行かせることも大事です。
先生によっては、子供だけを教える人、大人だけを教える人、基礎だけを教える人、専門的にやる人だけ教えている人、と完全に分けている人もいます。
講師としての経歴は育てていくもの
ピアノ教室を運営していく為には、生徒の存在が必要不可欠です。
ですが、生徒にとっては教室選び・先生選びは音楽人生を左右すると言っても過言はないぐらい大事なこと。
世の中にピアノ教室は山のようにたくさんありますが、「自分の教室」をぜひ育てて欲しいと思います。
過去にすごい経歴がなくても、ピアノ講師としての経歴は年月をかけて育てていくものであって、生徒から育てられるものでもあります。
時代が日々進化しているように、ピアノ講師としての自分の目標や軸が間違っていないか、時には立ち止まって今一度考えてみる時間も大切です。
先生も生徒も前向きでいつも笑っていられるような、素敵な教室を作って行きましょうね!